2010年1月31日(日) 1:14
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『真夜中の習慣』
この15年ほど毎晩、必ず電気を一切点けずに暗闇の状態で(月明かりやご近所の明かりは入ることも多いのだが)階段の上り降りをしたり家の中わざと歩き回ることをしている。。ここまで読むとやはり変な趣味を持っているのか?または怪しいヤツか?それとも何かの病気なのか?と疑う方もいるだろう。。が、よく聞いて欲しい。 人間の五感の内【視覚】はもっとも鈍りやすいと私は考えている。。この視覚が鈍るということは他の四感も鈍ることに繋がっている。ポジティブに考えれば現代社会がそれだけ豊かになってきた証拠だと言える。映画『アバター』にも象徴されるように私たちは『より新しく視覚的に刺激のあるもの』を無意識に求める傾向にある。それを決して悪いとかネガティブに捉えているのではない。私も『アバター』を観てとても楽しんだし、映像技術の進歩は素晴らしいと感激した。 だが、その一方で私たち人間の本来持っているハズの【動物的感覚】が退化し始めているのではないか?という個人的危惧がある。脳というのは『視覚で捉えたものを真実だと認識する習慣がある』。 その為マインドは【見えないと恐れでパニックを起こす】。たとえ知識で『視覚で捉えたものが必ずしも真実ではない』と知っていてもだ。。話を戻すが『暫く暗闇に居れば眼が慣れるは本当か?』これは確かに本当である。その場にじっとして動かないでいると人間の眼の適応能力なのだろう。薄っすらと見えるようになる。舞台などの暗転中にセット替えのためにスタッフが動いているのを見たことがあると思う。この暗闇の中を移動するには視覚以外の四感(聴覚・味覚・嗅覚・触覚)をフルに使わなければいけない。そして何度も練習が必要となる。しかし、例えば家の中は問題無く移動が出来るからといって知らない場所でも、いきなり同じことが出来るか?というと、それは難しいと思う。知らない場所では四感のみで空間認識力を発揮するには、かなり鋭い感覚と訓練が必要だからだ。(勿論、最初から出来る人もきっと居ると思う) 私が暗闇の家中で、あちこちに点在する『動く障害物・ネコ』を踏まないように移動しているのには少しでも、この【四感】を鍛えたい!という思いからである。危機管理の面から考えても、せめて家中くらいは把握しておきたい。 私たちは時代と共に、余りにも視覚に頼り過ぎているところが多い。 だから、あえて言う。
視覚に騙されてはいけない。 『見えないモノ』の中に真実が隠れている場合があるのだから。
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