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モリノスの日記
 
2017年11月19日(日) 22:18

モリノス

「奇縁」。私が20代前半に、故丹波哲郎がボスだった俳優養成所から移籍した多くの個性派俳優、大女優果てはハリウッド俳優まで輩出した名門新劇劇団、演劇集団・円の研究生だった頃、円特有の鬼演習の課題「台詞を喋りながら、舞台四方を動いたり踊ったりしながら小道具も使う」といったモノがあり、まだ円に入所する前の私は昔の新宿村スタジオの饐えた匂いが充満する窓ひとつない真っ黒な壁のお稽古場でソノ課題に使う小道具を赤いトレンチコートをを使い、巧みに着たり脱いだりして難題を見事にやりこなす先輩Mさんがいました。ソノ先輩は私が入所してからは既に首チョンパ脱落形式研究所制度のハードルを超えて劇団所属の会員になっていて当時の私からしたら雲の上の人であり、劇団主催の公演では華奢なんだけどグラマラスに見える姿形に大きな瞳があえかに光る存在感タップリな舞台女優になっていました。期がズレていたのでお話する機会は無く、私も研究所の基礎科から専攻科に上がってしばらくしてから、思うところアリで途中退所、その後は円出身とい
う肩書きをぶる下げてフリーになり、ボス丹波哲郎の所でお世話になったマネージャーとか、円で学んだ教授の先生方の御紹介で、テレビやら映画、シヨー舞踏やバレエの仕事を回していただき、なんだかソレはソレで優遇されて満更でもないな時期を過ごしていた時に脚の病の発症。そして少ししてから鳴り物入りでプロディユースされてあっという間に「霊感界の貴公子」「V系カリスマ占い師」とお飾りがついて今は無き原宿ニューエイジセンターで御職を張らせていた時にバッタリ、M先輩と再会、M先輩は私が円の後輩と知りビックリ、私は憧れのM先輩と退所してからやっとお話する事ができて舞い上がった物です。それから何年も経過してから顔本でM先輩と繋がり、今M先輩は女優業と都内の一等地で業界人達が集うお洒落な店も運営しているのですが、なんとソノお店に私の甥2号が出入りしていて、M先輩と甥2号が仲良くさせていただき二人の話の流れで、M先輩の後輩が私で、甥2号がM先輩と私が知り合いという事がわかり…。更に数年経ち、M先
輩が肩の不具合で御親戚が医師をしている病院に通いリハビリをしているとの事。先日、甥2号は甥1号を誘い共にM先輩の店に行き、なんかプチ欠席裁判なカンジで私がオペした事をM先輩に伝えるよしとなり、なんとM先輩が通っている病院が私がオペした病院と同じ、更にオペ後に私の患部の抜糸をしたのがM先輩の従兄弟の医師だったという事が判明…。なんだか壮大な甥達が間に入りドラマチック御縁奇縁のスパイラルだなと感心した次第です。


2017年11月18日(土) 23:29

モリノス

「VS中2女子」。毎年、今時期恒例、落合の事務所にクリスマスツリーを飾る日が今日でした。数年前より何故か流れで落合界隈のプチ事情のある少年少女がクリスマスのお飾りをする事になり、今年は中学二年生の女子TちゃんとMちゃんが担当となりました。中学二年の女子達はお喋りに興じ、クリスマスツリーは中々仕上がりません。内心は「こいつらの後頭部を鈍器で殴りたい」と思いつつも一向にはかどらぬ作業をイライラと宗教的な微笑みで見守りながらも保護者が来て「まあ、すいませんねぇ、かえって御迷惑なんじゃないですか?」とおっしゃると私は「さて、どんな仕上がりになるやら、この子達、お口はよく動くけど手はまったく動かないんでございますよ」と芝居がかった声音に言うと彼女らに一瞬緊張感がみなぎり、そこからやっとクリスマスデコレーションスタート。で、彼奴めらはツリー本体にいきなりモールを取り付け様としやがるので私は「少女たちよ、電飾が先じゃ、電飾を先に巻かないでモールから飾っちゃうと後で地獄をみるからその
つもりで」と意地悪に言うと中2女子Tは「地獄を見た事ないのでわざと電飾を後にしてるんです」という減らず口を叩きます。脳内沸点に達し血管のひとつも切れたかと思いつつも「ああ、そうですかでは御自由に」と冷ややかにいいました。でグダグタ相変わらずお喋りにに興じ飾りつけをしていたのですが、セッションのお客様がお見えになる刻限が迫ったので「少女達よ、これから奥の部屋でお客様をセッションをしますその間は、お喋りは元より物音がすると御迷惑になるので、静かに作業をなさい」と言い、程なくお客様来店。で鑑定中はまるで死んだ様にお喋りはおろか物音もしないので却って心配になりました。セッションが終わり部屋を出ると室内はエアコンを切ってあったのですが、若き少女達の身体から発する熱気でエアコン入らずとなっていたので私は「アンタ達は若いから熱気を身体から放出してるので暖房いらずだね」と皮肉めいた事を言ったら少女達は「アタシ達はどれだけ食べても熱量を放射できますから太りませんけどモリノスさん年代は、熱量、代
謝は中にたまるばかりで太りますよね」と言われ一言も返せない私でありました。そして長時間かけてクリスマスデコレーションが完成した後は、中学生ならではの受験の悩み恋の悩み、わかち合えない親子関係の話になり、いつまでもそんなお話を聞いていたのでした。


2017年11月17日(金) 22:33

モリノス

「欠陥なパターン」。仕事が終わり閉店間際のデパートに行きました。V系スキニー御用達、私はこのブランドが開設してから利用しているのですが数年前より年齢的にもうこの店の服は無理かも?と思いつつも春に秋に何シーンか買うのがならわしになっているので、シヨップに立ち寄り物色…。しかしこれといって着道楽も極めた感のある私的にはピンとくるものがなく、いたずらに店を散らかす事となったのですが、ゾベリとしたロング丈化繊の肌触りの気色悪いジャケットじみたモノと下品に光るやはり静電気三昧なロングTシャツを選んだのですが、ジャケットは身体にフイットしたもののカットソーの方は着ると体型がおかしなラインになり老醜ボディラインが際立つカンジになり、この店の服を着る理由は、スキニーなデザインを逆利用してぬすんでだまし絵効果で着ていただけに、ロンTを着た鏡に映る自分を見て、ああついにこの店ともお別れだ、これから服を買うには京王百貨店だと心折れたのですが、意気消沈な私を励ますべく顔見知りの店員が奥から次々に
色々なシーンを出しては私に着せるのですが、どれも着心地がおかしい…。もしかして私の老人体型にも問題があるが縫製に原因があるのか?と思い、よくよく見て、何度も着たり脱いだりしている内にパタンナーが変わったのか?カットソーを着るべく頭を通すと肩と胸で引っ掛かり、着終わると、胸元に変なシワがより…。っていうか出た腹に到達する前にそれ以上下には下がらないという始末。全部着終わると首から腕から胸まで窮屈でお腹の方は余裕があるというカンジ、でアームホールあたりをよくよく見ると、両肩がツンと上がり、どうしたことか腋の部分が異様に狭く余裕が無く更に、後ろの生地が足りず前の生地は余る、このパターンで今期のシーンを全部作ってしまったのか?。このパターンで起こした服を着れる人は背中に肉がまったく無く、あばら骨が浮き出るほど胸がない人限定といったカンジで痩せてる若者でも着たら変なボディラインになる事確実と思いその旨、店員に伝えたら、店員もアレコレ商品をチェツクした後に顔色が悪くなりました。新しいパタンナーのミ
スとしか思われないのですが、そのパタンナーの起こした型紙で作られた商品を今期は売らなくてはならない訳で…。若者ならこのブランドの物さえ着られれば満足で変な縫製にも気づかないかもしれませんが、私からしたら欠陥品にしか見えず、パターン起こし及びそのパターンで作って商品展開してしまったこのブランドに文句というより同情してしまった次第です。


2017年11月17日(金) 1:13

モリノス

「なんとなく気まずい」。モリノス自宅は経年劣化著しい定礎49というマンションで、人間の身体の内臓やら血管が老化してボロボロになるのと同じ様に建物の電線やらガス管、水回りの漏れが疾患の様にソチコチの部屋で支障が生じ、それぞれの御家庭では修繕が盛んに常に行われています。私が住みつく部屋の二つお隣の部屋は11月よりほぼ室内全取っ替えという大がかりなリフォームが始まりました。朝起きて、ドアを開けると職人衆と顔を会わす事になるので気軽に「おはようございます」「ごくろうさまです」と声をかけているのですが、ある日の朝、顔も洗わず寝乱れた髪も束ねず、肘も膝も抜けたスゥエット上下姿にゴミ袋を片手に外に出ると「モリノスさんですか?」と声をかけれました。だらしのなさすぎスタイルの私は反射的にモリノス面して「あっ、はい、そうですよ、おはようございます」と返事して、?なんで私をモリノスと知っているのだろうかこの職人さんは?と思いつつも宗教的な微笑みを彼に向けると「俺、プロレスしよっちゅう行くんですよ、モ
リノスさん今、山田太郎を特訓してるでしょう?」と言います。山田太郎とは666所属選手で山田選手は別キャラのTHE1001に扮し相方のYANGAGA選手と組み鬼コーチ扮する私に竹刀でボコボコにしているシリーズ(?)を重ねているのですが天下一品の腐れドインディーの666を知ってるしかも、エースの怨霊選手、宮本選手、忍選手ではなく山田選手を開口一番に言うとはこの人はガチなプヲタだなと思い、色々と話すと生で666の試合を見たことは無いが、インディーズの他団体にはしょっちゅう行っているとの事…。って事で私が666のモリノスさんと知ってらした訳で…。ありがたい事なんですが、素顔にもほどがある姿を見られてから今日に至るまで平日の朝は、ソノ職人さんと遭遇する確立は高いので、室内から外に出る時に無駄に意識してしまう次第です。


2017年11月15日(水) 22:01

モリノス

「息も絶え絶えに」。落合近く地下稽古場で、友人Aがおしえる20代後半の演劇男子が日本舞踊の「高尾ざんげ」という難曲に挑戦、来春に発表との事で冷やかしがてらに見学に行きました。本番では本衣装のこしらえで演るそうなのですが、鬘に打掛、重い帯を前に〆る嫌がらせの様な総重量で舞台に立ちしかし高尾太夫はすでにこの世のものではない亡霊ですから、板の上ではまるで浮いているごとくシトシトと女郎苦界の戒め事やら四季折々の情景描写を舞う事となり、足音も息づかいもぬすんでナンボ我慢大会な演目なのですが、長身で華奢な演劇男子K君は稽古着でありながらも帯は丸帯をつけていて、汗だく…。短髪に女形姿のK君はまるで水前寺清子が小さな箱(劇場)で疲れきっている様に見えました。長身の男が女役を致す時にはイカに姿形を小さく見せるか勝負のため、肩も腰を落とし、舞扇も尺寸のモノを使ったり裾をつまむ時もチロリと指先だけ見せたりという苦労があるのですが、K君はそれは真面目に所作事を何度も練習していてソノ緊張感やら集中
力は称賛に値するものの、休憩を取らない主義の鬼畜A師匠の元「いまいちどかえして」と何度も同じ場面をやり直しさせられているのをかわいそうと思う反面、心中では「ワッハッハーやられてるやられてる」とほくそ笑んで見ていました。で2時間弱お稽古を私はただ黙って見てただけなのに、K君がダメをくらう度に「すいません」「申し訳ありません」と返事をする度に最初は元気だった声が後の方には息も絶え絶えになる様も邪悪な私は爆笑するのをこらえたのでした。お稽古が終わるかと思った矢先、Aから「ツク、苦悶の顔Kに見せてやってみせて」とイキナリふられて私は瞬時に、苦悶の表情をつくり小首のひとつも傾げたら「プチッ」と音がして途端に首がつり痛くなったのですが、年上の意地の突っ張りで我慢し平静を装ったのですが、Aは私を指し「この人は躍りはさっぱりだけど顔芸はうまいのだよ」などと言いイラッとしましたが、まあソノ通りなので私は先輩ぶって「高尾は顔芸でナンボですな」なんて偉そうに言ったらK君は「ハイ!」と素直に言ったらAは「
顔芸が全てではないっ!小手先に頼ってはいけないっ!」と癇症に言い、K君、混乱。お稽古見学してなんだか邪魔した様な気持ちになったのでした。ちなみに高尾太夫は年増モノですから、今の私なら顔芸小手先技で、やれるかも?できるかも?と思いましたが、踊りのお稽古なんてしていない私がアノ重たい衣装を着て舞台に出たら即、召されるかもと思う、更に太り腰になった今の体型では、どんだけぬすんでこしらえても、可憐哀愁を醸すべき高尾太夫がふてぶてしい女力士になるのではと思うと一時でも高尾ざんげできるかもと思った自分をプチ責めた次第です。


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