尚叡専用GPZ1100「武者」

「武者」とは
某チームの撃墜王でもある尚叡の搭乗機GPZ1100。 GPZ900R〜通称「Ninja忍者」の進化型である1100には、その差別化としてペットネームの「Ninja」は冠されていない(開発者氏談)。
そこで、「Ninja」に対抗して付けられたペットネームは「Musha」。
900が巧みさを売りとする忍者ならば、1100はその特性柄、真っ向勝負の武者がお似合いだ。
そのフロントヘヴィーの脚で、今日も敵陣深く切り込むのだ!


基本設計は川崎重工の世界に誇る高速戦闘機「Ninja」。
発動機は900cc搭載が一般的だが、本機には一時期僅かではあるがニュータイプ専用に生産された1100ccが搭載されている。
更に大口径強制式燃料気化器(FCR)への換装、操縦・駆動機構の改良、大幅な軽量化が図られ、本来相反する馬力と旋回性能の向上が実現している。
しかしながら高速戦闘域での操縦難易度や恐怖感は計り知れず、乗り手となるにはニュータイプ適性試験をパスし、更に1000時間を越える訓練課程を修了しなくてはならない。


このマシンの性格を端的に表す280km/hフルスケールの速度計。
強大なトルク・パワーは、200kgを越える巨体を難なく押し出し、同型の発動機搭載マシンに並び最高速度は300km/h以上をもマークする性能を持つが、日本の公道という交通事情下ではオーバー300km/hは至難の業。
決して300を刻まない控え目なこのメーターは、戦闘時に必要十分な速度を数える剛健さと、大和撫子の如き淑やかさを兼ね揃えている。


高速戦闘域では大気の壁が剥き出しのライダーに容赦なく襲い掛かるが、大型化されGivi社製スクリーンが盾となりライダーの負担を軽減する。
また、尚叡機専用に引き回された機体側面の配管は、フロントカウルの吸気ダクトから直接燃料気化器へ新鮮な大気を送り込み、低温高酸素密度の混合気の供給、点火系の冷却作用に効果的である。
このRAM-AIRシステムは、速度の上昇に比例して効率が増加する為、高速戦闘時に真価が発揮される。


尚叡専用機には日信工業社(NISSIN)製6ポットブレーキキャリパーを始め、レバーからの動力伝達を確実にする高効率マスターシリンダーやステンメッシュのブレーキホースも装備され、高速域での強力な制動効果を生み出している。
また、DYMAG社製マグネシウムホイールによりバネ下重量が大幅に軽量化され、これが硬めのWhitePower製サスペンションスプリングと相俟って、旋回時や加減速時の荷重移動をよりスムーズなものにしている。


タイヤは前後とも石橋社(ブリヂストン)製ハイグリップタイヤBT-010。
強大なパワーを路面に伝える駆動輪の安定性・剛性を確保する為に、当時最速カワサキの名を欲しいままにした姉妹機ZZ-R1100のスイングアームを加工流用。
その脚を支えるサスペンションは、国産技術では成し得ない路面への喰らい着きを可能にするオーリンズ製。
手前に見える排気管は大排気量を硬めの重低爆音と共に排出するBabyFace管。

戻る