尚叡専用S13改「椀麦酒」


尚叡専用機「椀麦酒」。
これは「ワンビア」と読む。
一見するところ普通の180SX(中期型)。
強いて特徴を挙げれば、ドリフト仕様の為に極端に低い車高だろうか…


…しかしながら、車体後方から見るとアラ不思議!
これはどう見てもシルビアである。
S13と呼ばれる旧型で数スペック存在しているが、この機体は発動機にSR20DET(2Lターボ)を搭載するものだ。


更に尚叡専用機として吸排気系の改良や空燃比調節機構等で発動機の爆発力を上げており、それに耐え得る車体づくりの為にロールケージをフレーム内部に配し、足回り強化としてタワーバーやジュラルミン製のアーム類を用いている。
又、軽量化の為にリアシートや内装類は外されており、車内は無機質で殺風景な印象を受ける。
この強化された運動性能を武器に横滑りしながらコーナーに飛び込む走法を多用していた為、強烈なGの下でもコントロール性を損なわないよう、体を完全に固定するフルバケットシート、4点式シートベルトで人車一体となる必要があった。


フロントマスクをシルビアのものに換装した180SXベースの車両は通称「シルエイティ」と呼ばれ、漫画「イニシャルD」での登場もあってか、180SXのメジャーな改造として市民権を得ている。
これは、180SXとシルビアが姉妹車種として存在し、フロントのフレーム設計を共有している事から成せる業である。
尚叡専用機は、その逆の発想からシルビアをベースに180SXのフロントが載せられたもので、通称「ワンビア」と呼ばれるが、ガゼールが在った頃のリトラのシルビアのようなスタイルは、残念ながら日本人のセンスには合わず、その存在は稀である。

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