尚叡専用SERA「聖羅」


1枚目の写真はカタログ上のもので、以降の尚叡専用機と比べると元々は大人しい流面型である事が判る。


「SERA」は、87年のモーターショーで展示されていたコンセプトカー「AXV-II」が元となり開発されただけあり、近未来的・前衛的な試みが多く取り入れられている。
フロントガラスからルーフ一体のドアガラス、リアハッチガラスと、車体上部半分がガラス覆われた「グラッシーキャビン」は、他車には無いパノラマ展望を可能とし、更にこの独特の形状を持つ室内に合わせて音響解析した「スーパーライブサウンドシステム」を搭載する事で、五感で感じる快適なドライブ環境を提供してくれる。


心臓部に配される発動機は、スターレット等に搭載される4E-FE型をロングストローク化し1.5L化した5E-FHE型・直4 DOHCハイメカツインカムで、トルク感に溢れ、吸排気を高効率化するだけでも、4速引っ張りでメータースケール180km/hまで気持ち良く吹け上がる走りを見せる。
ガラスという重量物により、どうしても高重心化してしまう面を足回りのセッティング等でカバーすれば、サーキットでも申し分ない戦闘力を発揮し、乗り手次第だがヴィッツレースのマシンとも互角以上に闘える潜在能力を秘めている。

この車体の最大の特徴は何と言っても「ガルウイングドア」の採用で、翼を広げた優雅な姿は発売当時のバブル経済を象徴するかのようでもある。
日本の誇る世界の豊田には、富士の山もよく似合う。
因みに、ボンネット上部に覗かせているものは西部警察でお馴染みの大門団長2代目専用機「スーパーZ」のものと同じ二連砲門で、戦闘時に催涙弾や発信弾を発射する事が可能だ。
そう言われてみれば、この車体のカラーリングやガルウイングなど、大門専用機に通ずる処が多いのは気のせいだろうか…。

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