2007年12月27日(木) 1:35
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モリノス
「薔薇を胸にさす男」。昨夜のディナーショー。会場のテーブルにはクリスマスのお飾りがされピカピカのグラスやらお皿が並べられています。ドアオープンと同時にお洒落をした大人な皆様がニコニコとテーブルにつきます。やがて趣向をこらしたお料理が運ばれ各テーブルもおにぎやかなムードです。ディナーショーにしつらえた舞台の中央一番前に一組しか用意されていないテーブルがありました。そこへ仕立ての良いスーツの胸に薔薇の花一輪をさした中年紳士が着席されました。会場は満卓なのにその席にはその薔薇の紳士用に用意されたセットしかなく、まわりの喧騒からすると少し違和感がありました。やがて薔薇紳士はつがれた白ワインのグラスを持ち上げ目を閉じ何かをつぶやき一人乾杯をしました。満座の中たった一人でお食事をする彼はまるで映画の1シーンのようでした。私はその男性がなぜ一人なのかが気になり、席を中座しディナーショーの主役をつとめる歌手Kのバックステージに行き、不思議なお客様がいるけど知り合い?なぜ一人なの?ビップ?などと質問 しましたら、Kによると、彼はフォークソング華やかなりし時代に知り合った女性と結婚。そして現在、妻は他界、子供達は独立。数年前、フォークソングの女神として活躍したKの復帰から薔薇紳士は、その青春の思い出の歌手Kのライブやコンサートには欠かさず駆けつけるのだそうです。シティホテルのパーティー、1テーブル独占して、コンサートを楽しむ。なんと大人買いの極み!。ショーがはじまり会場に戻った私はその男性の方をそっと見ました。Kの歌に合わせてご自身も口ずさんでいました。彼の左手はその胸にさされた真紅の薔薇に優しく添えられていました。私はふと「ああ、この人にはちゃんとしたお連れ様がいるんだ」と思いました。彼の一人乾杯はあの時代、ともにKの歌声を聞いた今はいない大切な人にメリークリスマスと言ったのだと思います。
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