2008年11月19日(水) 23:25
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モリノス
「お峰太夫欠場」。毎年、熊手を納めに行く新宿の神社には、いつも「お代は見てのお帰りで」といったカンジのオドロオドロシイ看板と小さな小屋で「見せ物」の演芸がかかるのですが、昭和のフリークシヨーのカリスマ「ヘビ女・お峰太夫」という、私が20代の時にはすでに高齢だったのですが、平成になってもその暗黒な演芸「ヘビを食らう、ニシキヘビをまとう、煌々と灯された何十本もの蝋燭から滴る熱蝋を舌で受け止め火炎放射」という究極な技を持っていていまだに現役の見せ物芸人としてピンをはっている人がいるのですが、今年の見せ物小屋にはお峰太夫の姿はなく、お峰太夫の芸を継承した若い娘が、太夫を勤めていました。若い太夫はお峰太夫の園芸を忠実に体得して、恐ろしい演芸を繰り広げるのですが、お峰太夫の芸はどんだけエグい出し物をしても「この人は本当のヘビ女だ」というような迫力があり観客を圧倒していましたが、若い太夫が同じ芸を披露すると「あんたおやめなせぇ〜無理してますから〜」みたいなカンジで痛々しく生々しく見えてしまうので す。が、この若い太夫も見せ物小屋に魅せられ、若い身空で二代目「ヘビ女」を継承した訳で、初めて見せ物小屋に入った観客は若い太夫の演芸にも「ギャーッ」といったカンジでした。お峰太夫はいなくとも若い芸人だけでも一晩中続く阿鼻叫喚空間をさばいている様はつたなくもあり、だが「見せ物小屋がまだ見れる」とプチ安心もした所です。演芸が一巡し、帰りにお金を払う時に、顔見知りの興業元のおばちゃんがいたので、私は「お峰太夫は?元気なんですか?」と聞いたら「アンタそれがさ、お酉さんの前に風邪しいちゃって、年だから養生さしてるとこなんだわよ、元気になったらまた連れて来るからね〜」としわぶれた声で言いました。私は「お峰太夫!生きててよかった、ていうか、ヘビ女も風邪ひくんだ!」と興業元に言ったら「ヘビ女も年とっちゃったしね〜でも、本人はまだやる気みただから・・・」的な事を言います。私は「見せ物小屋のトップスターお峰太夫はきっと生涯現役なんだろうな」と思いました。土蜘蛛女、タコ娘、山猫娘、牛娘、アルピノの人間ポンプお じさん、日本の見せ物小屋の大スター亡き後、芸は若いモンにうつしたが、お峰太夫は別格の存在です。ぜひ来年はいつものように変な空っぽの箱の中からニシキヘビをまとい、艶然と気味悪く登場し、観客を恐怖の世界に巻き込んで欲しいものです。大衆芸能の究極「あくまでもミセモノとして闇を魅せる」「アタシみたいになりたくなかったら、しっかり勉強しなされ、仕事しなされ、でないとヘビ女として見せ物小屋で演ることになるよ〜、諸国を晒し者として巡るのよ〜」とお峰太夫は観客を戒めているようです。これが「芸能の元」とも思えるのです。プチ悔しいのは若い娘がヘビ女を継承する前に私も、芸を伝授してもらおうと志願しなかった事でしょうか?。えっ?誰ですか?モリノスはヘビ女より怖いと思っているの人は?。
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