2009年12月11日(金) 23:18
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モリノス
「ミイラ取りをミイラに…」。冷たい雨の1日…。予約のお客様にキャンセルが出たので、一人お茶など煎れ、漫画「聖☆おにいさん」の新しい巻を読みながら、馥郁たる茶の香りを愛しみ、ニヤニヤと笑っていたら、落合の事務所恒例(?)、アポなし飛び込み営業ってか、押し売りな若者が来店。貴金属とカシミャのショールの訪問販売との事…。若者の革靴は雨に染まり、指先は寒さで赤くなっていました…。私は今宵、夜会に出席するため、スマートカジュアルなスーツと、首やら指に宝石をつけ、カシミャのコートに黒い狐 の襟をつけてきたのですが、まず若者に「まずはお座りなさい、外は寒かったでしょう、お茶などいかがですか?、体が温まりますよ」と言って、押し売りごときの青年にはもったいないビンテージ大紅砲を、茶器茶具を操作し、湯をさばいて、押し売リーマンに出しました。彼は一口飲むと笑顔になりホッとした様子だったので、私から「で?なんの御用ですか?」と聞くと「デパートさんとかで売られている宝石とかと同じレベルの品と高品質のカシミャ のショールの御紹介なんですけど」とモジモジ歯切れ悪し営業トークをします。私はこれ見よがしに、両手を彼に見せ、ハンガーに吊ってあるコートを指差し、「貴方がお持ちいただいた品より、私の持ってるモノの方が確実に良いモノだと思うけど?」と毒矢を吹いたら「でも、見るだけでも…、あと!、パラシュートの素材で作った傘とエコバックもあるんですけど」と食い下がり、私は先まで読んでた漫画を思い出し、「思えば貴方のようなお仕事も大変ですね、この雨の中、一軒一軒、戸を叩いて回るんでしょう?、一日中足を棒にして、だいたい門前払い…。もうすぐクリスマスだというのに気持ちも滅入る事でしょうね、ひとつでも売れたらいいですね」などと穏やかに言ったら、彼は「優しい方に出会えて良かったです、でも全然売れないんです」とヤサグレ発言。私は「でも〜売れても売れなくても給料はでるのでしょう?、だったらしばらく、ここで暖まって時間潰していけば?」と言うと彼は「まるで神様のような人だ」とベタなリップサービスするので、「私はマリアかイエ スかブッダのどれかの生まれ変わりなんですよニヤリ」と宗教的な微笑みを彼にむけたら、「ボッ、僕はクリスチャンなんです」と顔を赤くし涙目になっています。私はヤベっ、ガチな人に言ってはイケないことを申したと焦りましたが、突然押し売り若者は堰を切ったように「売れなくて…、誰も買ってくれなくて、一生懸命やってるんですよ僕は、本当はこんな仕事嫌で…情けない仕事で恥ずかしい…」と鼻水垂らして私に訴えるので。私の人格違うモノにオン。「なんだそれ、まるで買ってくれない人が悪いみたいな言い草だね、やってる仕事がイヤだ情けないなんて愚痴は仕事で結果出してから言いな〜。」そんなシヨボクレタ人間の売る物など誰が買うものか!と、叱り「貴方さ〜、他にやりたい事あるんでしょうよ?、まだ夢があるんだろうよ、年齢とか親に心配かけたくないみたいなカンジで、とりあえず就職できるとこに入ったら、とんだ押し売りだったんでしょ?」とまくし立てたら彼は「なんで、わかるんですか?、外に占いの看板がありましたけど、占い師の先生なんですか ?、僕の将来とか仕事運とか占ってくれませんか!」と言われたので、押し売りに来て逆に、鑑定しちゃう羽目になっちまいそうだと思った私は「私の占いは高いよ〜、今の君には無理だよ〜、それにアンタ、クリスチャンなんだったら、信仰というのは占いなんて必要ない事が、悩んだ時にどしたらいいか聖書にてんこ盛りで書いてあるんだから読んだらいい」と言い返したら「僕はっ!、神に色々祈ったけど全然叶わなかった!、神なんて信じないんです」などとキレるので「貴方ねえ、自分がうまく行ってないのを神様のせいにするんじゃないよ、神様ってそれぞれの行いを見てらして、敬虔でどんだけ不幸でもふてくされない人に祝福をくださるんだと思うけど〜?」と答え、アンタの売ってるモノを買う気はないけど、毎日毎日大変だって事はわかったよ、でももし、まだ君にやり残した何かがあるのでしょう、今からでも遅くないから挑戦してみたら?的な事を言ったら、若者は「なんか、色々話させていただいたらスッキリしました、ありがとうございます」と鼻を赤くして、外に出 ようとしたので「また、この辺に来たら寄りな〜、お茶飲みにどうぞ〜」と送り出したのでした。
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