2010年3月16日(火) 20:13
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モリノス
「人違い…」。早咲きの桜があちこちにピンクの模様を描く広大な庭園を歩いていたら、紬を着た見知らぬ老婦人に声をかけられました。彼女は「まあ、野○さんお久しぶり、あら御髪をのばされたのね、お似合いですワ〜、先日はご丁寧にお手紙ありがとうございました。アタクシ、足がアレでしょう…、今まで寒かったし、体も思うようにきかないモノですから、引きこもってましたの…、そんな時に野○さんからお便りいただいて、どれほど励まされたか!、感謝しています、お陰様で今日は出かけてきてみたんですよ、ああそうえばヨ○エさんですけどね、あの方もまだ山梨の方にいらっしゃるんですけどね、近々出てこれそうなんですって…、ヨ○エさんが、こちらにお戻りになったら、お昼でも御一緒しません?」と、私が一口も挟む間もなく、知らない人(もしかしたら、お客様とか茶藝の時に会ったか?、いや邦楽系?)と、返答に困り、アナタ誰でしたっけ?って聞くのもなんだか、とにかく私にではないのだけど、感謝されちゃっているので、宗教的かつ曖昧な微笑み返しをし ていたら、老婦人は「御返事のお便りしょうと、していた所だったのですけど、近頃は目もかすむし指先にも力が入らないので、ゴメンナイネ〜、せっかくこちらでお会いできたので、お返事代わりにお礼申し上げます」とお太鼓が天井に向くほど腰を折り深々と頭を下げられました。私は今更、人違いですとは言えず「今日は暖かいですね、お大事に」などと、しどろもどろと言いそそくさとその場を後にしました。頭の中では「ガーン、しらばっくれちゃったけど、野○さんって方に迷惑かけちゃった?、あるいはなんだか話ややこしくなっちやった?、アナタの事知らないってちゃんと言えば良かった?」などと頭の中を変な混乱とプチ罪悪感めいた気持ちがグルグルと回っていた私でした…。
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