2010年6月25日(金) 0:57
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モリノス
「渡世の御縁」。旧友Yのお父様が急死されました。で、どういう御縁か、私がお葬儀の進行を引き受ける事となりました。 で、葬式慣れしている私は仕切りを託された途端に、スイッチオン。私の父が亡くなった時にお世話になった、信頼のおける葬儀屋さんに、すごい速さで打ち合わせし、(不謹慎かもしれないが、高速巻き舌で値切る私…)喪主の後ろから指令を出し、他家のお悔やみ事なのに御身内の中に混ざり、通夜を決行しました。 読経が始まった頃にやっと一息つき着席…。Yのお父の遺影を見つめていました。どの宗派かはわからないのですが、僧侶は丁寧なお経を下さり、人間から新仏に変わる引導を渡す儀式が行われたのですが、やおら僧侶は剃刀を天にかつぎ、棺に眠るYのお父様に向けて、剃髪の所作をなさいました。私が知る引導は、房とか棒を振り回し「ギエーッ」とお経で鍛えた喉にドスをきかせ、房なり棒なりを棺にむけて振り落とし「今世での未練を捨て、忘れ、新たに仏界への道にすすむのです」的な強い印象があったのですが、この度の引導 はまるでまだこの世に未練があるであろう故人に対し、労うかのように優しく心をこめて剃刀を当てる仕草をし、お疲れ様でしたね、髪を下ろしたらこれから貴方は新仏様になるんですよ、安心してくださいね。今まで貴方は○○○○でしたけど、これからは新しい戒名がつきました。どうぞ迷うことなく極楽浄土に旅立ってくださいね的な、とても愛ある引導の儀に、心打たれました。 こんなお経をいただいたら、残された家族も、嬉しいと思います。葬儀というのはそれは悲しい事だと思いますが、ひとつのけじめの時でもある訳で、この度の通夜の読経は、まだこれからを生きる家族にも亡き方に未練を残さず、生きて行く力になったと思います。 自分がお役にたてたのか、おせっかいだったのか微妙ではあったのですが、この世とあの世の区切りをつけるY家の通夜に列席し、心が洗われたような気持ちになりました。Yは頑張りやさんだけどやはり実父の急死はショックだと思います。ですがこの度の素敵な引導を見たら、親の屍を越すこれからの毎日の心の持ち方が、違 うんじゃないかと思いました。肉親を失ったYが、元気に癒える事を今夜の月に祈った私でした。
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