2015年10月11日(日) 0:35
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モリノス
「阿古屋」。女流邦楽家Tさんに御誘いいただき、今頃になって生まれ変わった歌舞伎座に行きました。昔の歌舞伎座を愛して止まなかった私的には新築の歌舞伎座の内装がイマイチ納得できず、床やら壁やらを手で杖で叩いたり触ったり舐めてみたり、壁の継ぎ目の粗をみたり手垢をみてはゲンナリ、剥げてしまってる塗りを見てゲッソリ、トイレのメーカーを確認しては、長いタメ息をつき…。「なんて安普請なんだっ!、劇場というより江戸風俗史料館みたいだ興醒めなっ!」とプチ怒り加味で滅入り、本番直前まで劇場空間に姑のように一人ダメだししてイラッとするという無駄な事をして客席に着きました。いざ本番、演目はかの三島由紀夫が20世紀の奇跡と称した坂東玉三郎が傾城姿で演じる「壇浦兜軍記・阿古屋」舞台が始まり、花道より重いだろうに頭掻を沢山つけ、まるで緞帳のような打ち掛に帯をまとい登場…。今までペラな劇場に成り下がってしまったわい、まるで同じく安普請の赤坂ACTシアターか?みたいな客席と舞台が玉三郎が出てきた瞬間に、劇 場のペラさをカバーしたカンジでした。阿古屋はお前の恋人はどこにいるのか白状せよ的な事を言われるのですがあくまでも知りませんよオーッホッホとシラを切り、ならば拷問で吐かせてみせようぞと、拷問がわりに、琴、三味線、胡弓を演奏しなくてはならぬ責め苦に合いながらも、果敢に冷静に三曲を弾きこなしてしまうのですが、長丁場の演目、重たい衣装で演じるだけで無く三種類の楽器を弾いて歌うという、難易度高い事をするのですが、前に結んだ嵩張る孔雀の帯であるのにシレッと琴を弾き、三味線を弾き、胡弓をと立て続けに演奏してしまうのです。大役スギルっ!。しかも当たり前だが美しいと、今まで劇場のペラッペラさに眉根を寄せていましたが、舞台上の姿を見て、イジケた気持ちが失せて、舞台に魅了されたのでした。
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