2016年5月13日(金) 22:13
|
モリノス
「ニナガワ」。究極の演劇人蜷川幸雄さんがお亡くなりになったと報道がありました。「近松心中、それは愛」、主演は太地喜和子、平幹二朗、脇には山岡久野、市原悦子などという今では実現不可能な豪華キャスティング…。幕前で辻村ジュサブローが遊女の人形を森進一の演歌に合わせて操り、しばらくすると平手打ちの様に幕が開くとソコには賑わう遊郭の景色が突然ドドーッと出現し、客席からは舞台に向かって花魁道中…。突如として現れた本水を使った池、俳優はソノ水にドップリ浸かる、そして忽然とシーンは風雪吹き荒ぶ夜の死の道行き心中の場…。太地喜和子と平幹二朗による愛を貫徹させるための選択として雪の中の壮絶な心中シーン、観客の涙を頂戴した途端に荒れ荒んだ夜の雪道山道シーンからあれよという間にまたドッカーンと湧きに湧き賑わう遊郭のシーンから終幕…。闇が極まり光となって、切なさやるせなさも極まって昇天に達する美しさ…。舞台という額縁のなかで、そんな事をキッチリとやってのけたのが、蜷川幸雄さんでした。
|