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2009年6月の日記
 
2009年6月29日(月) 22:30

モリノス

「女流舞踊家への道」。先日の夜噺の席で紹介された女性がいました。私は最初「見合い?」と期待と警戒しつつ、その女性とお話をする機会があったのですが、彼女は幼い頃から地唄舞をたしなみ、学生時代は演劇を専攻し卒業後、会社の受付とかセクレタリーなどの仕事に就いたのですが、三十路を境に舞踊活動を展開、自主公演として創作舞踊を展開していているとの事…。本人的には未だ舞踊を仕事にというには至っていなく、今後の自分の活動をどうしたらよいか私に聞いたらと母親から言われたとの事。私は「見合い萌え」してたのにプチ萎えながらも、私はやりたい事をやれている間は、続ければよいし、だがいつか、魂的にも物理的にも追い詰められた時に、舞を仕事に選ぶか、舞扇を終うかは自身でわかる事だと思いますよなどと禅問答のような意見を言いました。さらにデスクワークでも物を売るでもなく、自身が考案した作品を踊りとして人前で表現するという事は、本人にそのつもりはなくとも師匠や家族、恋人も傷つける事になる事になる商売だと思います、私的には普
通に昼間の仕事をしてお金と時間ができたら舞台を造って、自分の納得の行く表現を続ける形がまっとうではと言いましたら、彼女はプーッと頬を膨らませ、彼女の持つ夢を私に語りました。舞を通じて国内外で困ってる人達に自分が考案した舞を見ていただき、お慰めしたいとの事。で、私は手厳しい意見「それはあなたのワガママ」仮に、飢餓で苦しむ人々、家族に捨てられて施設にいる子供の前で、舞っても、お腹が膨れるわけでもないし、トラウマを持った子供達の前で踊っても邦楽のリズムでは、喜んでもらうどころか怖いだけだと思いますね。と辛辣な事を言ったら彼女はへこみました。こんな時に「でもぉ〜」とか「やってみないとわかんないじゃないですかぁ!」的なトンガり返事が返ってくると、私はその段階で「こいつはダメ」と微笑みを絶やさず心で目の前の人を捨ててる鬼ですが、彼女はしばらく口を強く結んだまでいたと思ったら、自分なりに舞踊活動を手探りで続けていくうちに、どこかの団体からお誘いをいただいたら、いやいただけるように精進します。と「へー
いいじゃない賢い賢い」と思いつつ、頑張ってくださいねとプチ励ましました。彼女は私に「モリノスさんは邦楽だけでなく色々なも催しに出られていると、聞いていますが、それはなぜですか?。やはり踊りが好きだから、天命のライフワークと得心してらっしゃるから?」と聞かれたのですが、私は「いいえ、舞台はなんでもいいんです、普段着れないモノ着れるから出てます」と答えたら、女流舞踊家を目指す彼女はさめた様子で「それってアリですか?」と、最初のうちは真剣に私の話を聞いていたのに、私の衣装が着たいから出演してますという意見に、ドン引きした様子で、その後の彼女との話は、すっかり噛み合わないものになりました。明日の夢見る表現者をガッカリさしちゃったかもしれません。うひひ。



2009年6月28日(日) 22:56

モリノス

「血を吸う蛍」。毎年この時期に開催される、蛍をみてから夜っぴて行われる夜噺と歌会に出席しました。いつもこの会には濃い茶色と生成のツートンでボウッと浮かぶ水玉模様が描かれている浴衣に襟をかけて強引に夏物の単衣に見える和服を着て参加するのですが、雨上がりの宵闇に放たれた蛍、ブラックライトで照らされた広い森に私のこしらえは、よく言えば浴衣の白地と水玉がブラックライトに映え幻想的になりますが、見ようによっては白い着物に青の光が刺し、幽霊のようにも見えます。最近の蒸した雨が続く日々に、蛍達はのびのびと浮遊し、私の衣装にも蛍などが止まり、なかなかの雰囲気を醸し出し、好評でしたが、同席した年配のマダムも薄物の和服にも蛍が止まり、マダム的にも喜んでいたのですが、一通り蛍鑑賞が終わり、座敷に戻るとマダムは体中蚊に刺されていて、どうやら蛍だけでなく、藪蚊にも好かれていた様子、しかもなぜか、しっかり結んだ帯の間にも蚊が侵入したらしく、痒くてたまらなくなったマダムは、夜噺も歌会どころでなくなり、ひたすら痒い痒
いとお困りの様子でした。同じ場所で蛍を見ていたのに私はひとつも蚊に刺されていません。私は蚊に刺されなくてよかったと思う反面、えーっと蚊の皆さん私の血はお口に合いませんでしたか〜?。となんだか、蚊に拒否られた気分になったのでした。



2009年6月27日(土) 23:40

モリノス

「雀、仁義なき戦い」。本日、イヤシロ青山に出勤し、雀達がどうしているだろうかと気になってバルコニーに直行…。植え込みに一羽の姿も見当たらず、プランターはあちこちほじくり返してあり、咲き誇っていたゼラニュゥムは痛み、床は土まみれになっていました。何事ぞ剣呑なりと思った私はボスに雀達はいかに?と聞いたら、餌はまいているのだが、雀達が2つのグループに別れて餌を奪い合い、空中戦も繰り広げられ、その戦いの最中を狙った違う雀がその隙に、餌を食らうといった香ばしい状態になっているとの事…。雀といえば、源氏物語にも語られる愛おしき小鳥だと思っていましたが、その弱肉強食具合にプチ唖然としました。で自称「動物使い」の私的には次回からは根気よく雀達に言って聞かせようと誓ったのですが、一体どうやって「仲良くしなされ」と諭すか思案中です。で、御来店のお客様へ、イヤシロ青山においでのさい、門をあける前に上を見上げて、植え込みに神妙な顔で何やら話しかけている奇天烈な人間がいたら私ですのでよろしく…。



2009年6月27日(土) 1:19

モリノス

「モンスター客対応マニュアル?」。昨日、ミュージカルを観た私と、セレブ友人A&S。観劇後に食事となり、46階にある高級焼肉店にて、パノラマ夜景を見ながら、遅い夕飯をとりました。立地条件に叶ったサービスをいただけるのかと思いきや、私達のテーブルを担当したゆるいイケメン店員は、無駄にイケメンなだけで、オーダーの仕方から行儀まで、お話にならなく、たまにサービス業における接客などの講師をしている私的には「ィラっ」を通り越して、こんな接客していてこのお店は大丈夫なのかね?とプチ不安になったのですが、担当店員をその場で注意したら、せっかくのたまの贅沢晩餐を興醒めさしては良くないなと思い、無礼なイケメン店員には何も言わずにいました。が…。そのイケメン店員が水をグラスに注ぐ時に、こともあろうか、私のカバンをまたぎさらに踏み、反対側の友人Sのグラスに水を入れたら、自然と口が開き、だがなるべくソフトにと思い「あなた、お客さんのバッグをまたいでしかも踏んじゃ駄目ですよ、ニコリ」とその店員にだけ聞こえる音量で
言ったつもりが、夜更けかつ不景気のせいか閑散とした店内に私の声は響きわたってしまったようです。私からもの申された店員は、謝るでもなく、顔を凍てつかせて凄い勢いで、私達の席からいなくなりました。その様子を見ていた友人Aは、「失礼な人ね!、担当の人変えてもらわない?」と私とSに言ったつもりが、これまた、店内のスタッフ及びまばらに座る他のお客さんにも聞こえてしまったようで、店内全体が、イヤーな緊張感に包まれたのですが、我々はそれをモノともせず、次々に運ばれる料理を平らげていったのですが、ふと気づくと、先程の無礼店員ではなく、違う人が担当になっていて、さらに料理を客前で取り分ける係の人に至っては、黒服級の人が給仕をしてくれたので、では先ほどの使い物にならない店員はいずこへと思い、暗い間接照明だけの店内をくまなく探したのですが、最初に担当した店員の姿は影も形も無くなっていたのでした。通常は店長あるいはチーフ的な立場の人が、私達の文句を耳にしたのなら、即、お詫びに来ると思うのですが、その店の対応は
、クレームを言われたスタッフを店内から消す事をしたようです。 私的には「非礼を謝罪ではなく、いなくしちゃう事でしのぐ作戦?」と思い、気軽な居酒屋でさえ、誠意のある対応をするのに、夜景料金込みの値段設定であり、テーブルチャージャーすなわちサービス料まで料理に乗っけている店の「さらに文句言われないようにするため、当事者を客前に二度と出さない」というカンジのやり方に「これがある意味一番なのかも」と思う反面「これでよいのか?」と疑問に思った次第です。 せっかく、ゴージャス夕食だったが、なんか胸につかえるものがありました。



2009年6月26日(金) 1:00

モリノス

「食わず嫌い」。ミュージカル「ウィキッド」を観てきました。洋モノのミュージカルを和製にして上演した場合、だいたいなんとなく野暮ったい感があるという先入観と、上演劇団が完全に商業演劇なイメージがあり、この劇団の劇場は高額なチケットなわりには安普請な事もあり、気になる作品ではあったのですが、わざわざ観に行こうとは思っていませんでした。そんな時に先日NYで豪遊してきた友人AとSが、ブロードウェイで本番のウィキッドを観たのだが、不覚にも後半寝てしまったので、どんな物語だったか知りたいという、なんというもったいない話を聞き、で続きは和版で観てみましょうという事になったのでした。物語はオズの魔法使い外伝的なカンジでドロシー目線ではなく、魔女目線で「善とは?」「悪とは?」さてどっちが良くてどっちが悪いかという、戒めめいたメッセージをオズの魔法使いの話に絡めて舞台が進んで行き、○季のミュージカルに全然期待してなかったけど、良かったとプチ感動した次第です。主役の一人、全身緑色の魔女ウィキッドは、動物達を
守るために、オズの国の王様に逆らい、陰謀により希代の悪い魔女とそしられ追い詰められて行くのですが、私的には偽善と現実というものを、ミュージカルという形で表現できていて、最近のすっかり信じらんない、日本の国をまとめる皆さん達に観ていただくと、微弱ではあるが世の中ちっとはよくなるのでは?とも思いました。



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モリノスの部屋