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2013年9月の日記
 
2013年9月30日(月) 22:45

モリノス

「殺気だつお稽古場、日中韓」。自分の舞台衣装を貸す約束をしていたので新宿の外れにある老朽化して床もボッコボッコだてらに明日の演劇人とかダンサーを目指すピーポーが汗と涙と血を流しているスタジオに行きました。芸術の秋にはイベントやら発表会が開催されるのでしょう、稽古場は、9頭身を持つ若い女の子がキチガイのようにイタリアンフェッテを回っていたり、コールドなのに揃わず師匠が鬼になってお団子頭の集団にダメだしをしていたり、ケレンじみたヒップホップのステップを呼吸困難を起こしながら練習していたりと、熱気ムンムンで圧倒されました。室内にいるのは黄色い肌の人々なのですが、北京語やハングルに日本語がやかましく交差しています。日本人教師が中国の子を指導していたり韓国の先生が新作コールドの子達をハングル語と日本語をまぜこぜして叱咤していたり、日本語同士で口論していたり、このスタジオでは島やら国やらの問題はスルーなカンジで分かち合っているようです。私はヒップホップを練習している日本人男子に同じく、華麗なダンス
を三人で稽古している韓流男子達を指差し「ヌハハ〜あの韓流の子達に比べると君達はまるでドラえもんが自棄を起こしたような踊りだの、まあスタイルもお面もあの子達には死んでも叶わないから、せめて練習して難易度の高いテクを体得するしかありませんなぁ〜」などと意地悪を言い、日本人ヒップホップダンサーの玉子達は「俺達気にしてませんから」などと意地を張ります。しかし韓流イケメンユニットはたいした振り付けでもないし、ちょっと練習しては休んで、コールドの女子達を品定めしているという不埒なカンジなんですが、顔良しスタイル良しな連中は踊りが稚拙でかっこよく見えるという、ド根性でお稽古してる日本人を思うと可哀想になってしまいます。ああ無情とはこの事かと現実を目の当たりにした次第です。しかし各々が休憩中とか先に帰る時などは、踊り手日中韓が仲良くしていて、稽古が終わったら食事に行こうとかカラオケ行こうとか話ているのを見聞きすると、ココにはお国同士のいさかいは無いなと思い、これからコノ三国は微妙な関係をたどる一途と思
うにあたり、せめて舞だけは国の間に立てられている戸を閉ざして欲しくないし閉ざしてはいけないと思った次第です。古代各々の国の舞いを披露し会って言葉の壁を払い親睦を深め笑顔を交わしたといいます。現代もぜひそうあって欲しいものです。


2013年9月29日(日) 22:42

モリノス

「のす」。モリノス姉が心血を注ぎ挑んだ邦楽の大曲でもあり難曲「黒髪」をピンで三弦を弾く大役をあてられた琴の演奏会に行ってきました。姉から黒髪を弾くと聞き、お衣装が命な我ら姉弟は、病的にまで着るものと飾るものを思案し、この度のこしらえは、平安貴族男女が描かれ恋文な詩も帯に写し黒地に金糸の繍をしてある人情帯に、私の姉なんですからとっくに五十路で孫も三人いるだてらに友禅の大振り袖、その大振り袖は白地に黒の線で花鳥風月を模し間に金糸銀糸でアクセントをつけてる渋いが豪華絢爛な大迫力な着物です。半襟は総ビーズ、伊達衿は乳白色のライトを浴びた時に鮮血のように見える赤、帯揚げは黒の鹿の子、帯締めは伊達衿と同じく血しぶいたような赤の組紐、髪は盛るだけ盛った所に、大振りな銀杏型の銀の櫛に珍しい白のタマカンを2つと白の頭掻を刺し、間にデカいパールを配置という全部乗せなカンジ…。ピンで演奏するのが黒髪…、何と申しましょう女の内にうち隠したかのような情念的な楽曲ですので、人情帯に秘めた女心を花鳥風月に託した様に
した構成にしました。姉は昨年夫を亡くしてからこっち、それは心身ボロボロなんだけど普段は介護の仕事でオーバーワーク…。その中でもお稽古にも出ていましたので、せめて衣装だけでも出演者の中で特化して晴れの舞台の板の上に乗って貰えたらと思っていました。演目が続き終盤を向けプロレスの試合でいうとセミメインな位置で姉の黒髪の幕は上がりました…「!?」。舞台には緋毛氈、後ろには金屏風、その中心にドッシリと三弦を構えたモリノス姉は絶世に近しな美女面と狂気と妖気を放ち、黒髪を弾き語ります。場内からはザワザワと嘆声やら溜め息が漏れ、難曲なんですから上手いこといかないんですけど、舞台は元より空間を様式美でモリノス姉は支配していました…。これぞ「のす」といった表現がぴったりな姉の艶姿でありました。私は自分が勧めた衣装その他がドンピシャでキマッタのと、お稽古だけでなく普段の生活に苦労が絶えない、お姉ちゃんアンタ心折れてますな日常を送っている姉が、彼女の姿に客席が圧倒される様を見てこの姉を誇りに思った次第です
。身びいきですけどね。


2013年9月28日(土) 23:14

モリノス

「顔」。朝起きて鏡前に立ち煙草に火をつけ紫煙をくゆらせ己の顔を見て「いったいどうしたんだっ!」と誰もいない部屋で叫びました。体調を崩した時や、抗生物質を飲みきった後にたまにでる蝶形紅斑(両目周辺に蝶が羽根を広げているように見える痣)が出ていて、アラーッ!この状況で血液検査すると召し撮られる事態になるばかりでなく、顔の毛穴は全部開き、脂分がなくカラッカラッに乾燥し額はしもやけか?砂漠の亀裂か?といった具合に荒れマックスになっていて、両頬を触ると石でも入っているんじゃないかね?カッチコチになっています。…あなとんだ生き恥!誰かに顔面殴られたか火傷したかみたいなお面ではお客様に失礼であり御心配をかけてしまうっ!この場で舌を噛み自害を!なーんて思いつつも、幕は待たないモリノス劇場…。とにもかくにも出勤時刻までには顔を修復しなくてはと思い、美肌作りの鬼の私的にはイロイロ思案し、ヒマシ油を上質なコットンに何枚も染み込ませ顔全体に塗布して、ギリギリまで目を閉じベッド
で横になっていました。胸がまだセリセリゴーゴーと鳴りますからまだ肺やら気管支やらがまだ完全回復していないのでしょう…。1時間弱経過しコットンを外して鏡を恐そる恐そる見てみると顔の炎症は少し治まっていて両頬には梅仁丹みたいなシミか痣が残っていました。で軽くベッタリついたヒマシ油を石鹸を使わず洗い流し、顔がヒマシ油の残りでテラテラしている所に、S化粧品のマッサージクリームを使い、渾身の力を使い顔筋マッサージを病的に入念に行ってみました。顔を触ると紙ヤスリかサメ肌みたくザラッとしていましたが、両頬の硬化は解決していました。続けていつもの倍量の炭酸スプレーを顔に吹き付け、いつもはS化粧品のお下地3種の神器を塗りのですが、この度は、ケミカルな美容クリーム(火傷のリペアとして本来は開発された)をつけてみました。顔を触るとモチモチ感も蘇り安心したものの赤痣紫痣とシミはボツボツ梅仁丹は解決できなかったので、これまた思案して通常使うフアンデーションではなく(こういう肌質になっちゃうとフアン
デーションが顔に乗らない)、コンシーラーで痣を隠し、二種類のプレストパウダーを使ったら、なんとかこうにか、顔の修復に成功しました。が、やはり毛穴開いて月の表面みたくなっているのは改善しない…。と心折れた自分でした。時間切れになり、いざ出勤となりました。私は顔を隠すように髪を両側に下ろして今一度鏡を見ると遠目では、痣やら荒れやらが目立たなくなり、まあこんなもんかねと思い、プチ緊張しながらお客様達をお迎えしたのですが、何方も私の顔肌のトラブルに気づかず、「まあお変わりない」「相変わらず肌がお綺麗で」とお褒めの言葉を頂戴し、おおセーフだったわいと極ホッとした次第です。しかして明日の肌のコンディションはいかに?と不安な私でありました。別に肌なんかどうでもよいのですが、顔にこだわるのも私の奇癖ですので慌てている今現在であります。


2013年9月28日(土) 0:50

モリノス

「髪」。まだ三十代前半だてらに大病を患い、年代が若いゆえに再発防止のために強い放射線治療と抗がん剤を終えて、その副作用と戦い中の友人S…。一時は豊かな自慢の艶髪が全部抜けてしまったのですが、イロイロな化学療法も終えて再び髪が生えはじめたのですが、まだ地髪が揃わず鬘を着用しているのですが、秋に向けてパーテイに参加する事となり、地毛だと夜会服には迫力が足りず、自前の鬘だと用意したドレスと合わず…。いっそ上げ髪になってるウィッグを買おうかと思ったが、全鬘だとイカニモ鬘だとわかり、しかも店売りの全鬘は値段のわりには気に入ったモノが無く往生しているとの事で、ソレを聞いた私はドンキホーテとかで売ってる、細いエクステンションと幅広イロイロ各種のつけ足し仕様のつけ毛を購入して、Sのシヨートとミディアムの中途半端な長さの髪に、ゲットしたエクステンションやつけ毛を地髪の毛先につなげたり、後頭部につけ毛をあて付属のミニダッカールをパチンパチンと留めて土台を作り、そこから彼女の髪を上げて盛ってみました…。仕上
げに頭頂部から後頭部にかけて花をモチーフにした髪飾りでピンとかダッカールで留めた箇所を隠すように乗せたら、なんちゃってアップ夜会巻きがうまいこと完成しました。ドンキホーテで売ってる人工毛の価格など、たかが知れてるのですが、たかが知れてるモノのわりにはうまいことスタイリングがバッチリキマりました。鏡前のSの瞳は、光を帯びていて私が作った髪に満足してためつがえつ鏡に映る己の姿を見ては満足そうな顔をしていました。髪を失うというのはどんだけ悲しかったと思われますが、私ごときがこしらえた髪型を見た彼女の顔は高揚しています。命にかかわる闘病中のSの髪をうまいこと作れた私的には、チープな素材で作った髪に気に入って貰いうれしい限り…。大病難病克服中のSが喜んでいたソノ顔を見るにつけ、やはり髪の毛は女性にとっては命なんだなと今更得心した次第です。


2013年9月26日(木) 23:37

モリノス

「脳裏がブルー画面」。初老になり元々厄介な持病を友に人生を過ごすと風邪を引いて治っても、いつまでも胸やら気管などがヤラれ、浅い呼吸を強いられ咳を我慢し、乾いた声をなんとか自声に保ち、毎日、薄紙一枚づつでも回復するようにと私なりには節制じみた事をしているのですが、回りから言わせると、全然養生してないように言われます。本日はPNF筋力トレーニングの施術に行って参りました。施術を受けている間に先週よりはゆるんでいる呼吸器周辺部位の感触に手応えを覚え、まあ無理してるが壊してはいないなと安心しました。トレーナーS先生による鬼圧により上肢の緊張が解放されると右股関節は元より右足も戒めがとけ、少しは筋肉のついた右臀部もいいカンジに弾力がありホッとしていました。が施術の終盤に仰向けになりS先生が私の頭部を支えて彼の両手の中に頭を委ねて寝た瞬間「アラーッソコですか…」後頚部から延髄そしてその上にかけて、ギュウギュウと攻められソノ痛くて気持ち良いストレッチが施されていつもの悶絶感を覚えていたら、いつしか
脳内か脳裏にソレはキレイなブルーな色が映像として見えました…。目の裏に真っ青な画面が広がっている様はえもいわれぬ開放感で、束の間夢心地でS先生に頭部を預けているうちに施術終了…。もちろん呼吸が楽になり喉の緊張も緩和、更にあまり自覚がなかったが施術を通して体感した頭部のこじれ感も解除され、終了後も脳内ビジョンがブルーでその様子が持続し全身心身がクリアーになり、PNF研究所を後にした次第です。全快までアト少しだなと安心しました。


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モリノスの部屋