2015年9月30日(水) 22:30
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モリノス
「白い犬…」。落合の事務所には三匹の犬がたまに来店します。夜更けに家を抜け出し、扉をノックするというか引っ掻くラッセルテリアソノ1、野球のボールをくわえっぱなしでウーウー唸りながら散歩し、私の姿を見かけるとヨダレだらけのそのボールを差し出し私がソレを手にするまで意地でも動かないラッセルテリアソノ2、早稲田通りで私を見かけてしまうと飼い主のリードを振り払い疾走し、自分が納得のいくまで私が全身をなで回さないと帰らないミニチュアダックスフンド…。今日は出勤前に巨大でモフモフした真っ白なピレーネ犬と思われる犬を散歩させている小柄な女の人が私の前方を歩いてというか、白熊の仔みたいな犬に引き回されて汗だくでみたいな様子でした。私は大型犬のしつけをちゃんとしていないから往生しているのだろうと思っていた所でソノ白くて大きな犬が後ろを振り向き、私の姿を見ると「ハッ!」としたみたいな表情になり、ドデカイ身体を方向転換して私の元にノッシノッシと近づいてきます。私はその場にサッと座り込み( 犬と同じ目線になる)白い犬を向かえる体勢をとった途端に顔面が生グサイ臭いに…。白い犬はなんのためらいもなく、しかも君など知らないねといった初見の犬なのですが、大きな口を明け私の顔をベロッと舐めやがったのです。そして、抱擁…更に、これまたデカイ頭を私の肩にすりよせ「アッフ!アッフ!」などと無駄に歓喜していました。飼い主の女性は「ごめんなさいねぇ」などと言い、犬と私を綱引きみたいにして引き離し、そこで解散…。私は事務所に行く前にコンビニに入りドリンクなどを買い、外に出たら「待ってるっ!」コンビニ正面玄関に雪ダルマの様な形でソノ犬が座っています。飼い主が「アナタ立ちなさいよ!」とか言っているのですが犬はウントモスンとも言わず犬地蔵化しています。そしてまた私はしゃがみ込み片手を大量の毛で覆われている犬の首に入れて掻いたりしてやったら犬の目はトロンとした後に私に身を預ける形でゴロリと横になってしまいました。飼い主は「アンタ!今、さっきシャンプーしてもらったばかりじゃ ないのよ!」とエキセントリツクに言うのですが犬は腹まで見せちゃって路上をゴロゴロ、私もそのゴロゴロと巻き込まれ、アオカン獣姦プレイみたくなってしまいました。で、犬が落ち着いた頃に私は立ち上がり犬に「それではごきげんよう」などと声をかけ、事務所に向かいシャッターを開けて、ドアの鍵も開けて室内に入ろうとしたら左腰下あたりにサーッと白い毛皮が通過したと思ったら、ソノ白い犬でした。フロアに入った犬は室内をお宅拝見みたいにくまなく臭いをかいだり点検した後に、また私に近づき「クスンクスン」と甘えた声を出し、事もあろうか「だつこして」みたいなポーズをとりまた私の身体にのしかかってきた後に、目を閉じます…。えっ?寝るの?やめて?っていうか飼い主は?何でアナタだけがここに?と、薄ら寝してしまっている犬を室内に放置し外に出たら、なお一層汗をかいた飼い主が犬をキョロキョロと探していました。私は「スイマセーンお宅の御犬様、この部屋の中にいまーす」と声をかけ、飼い主を呼び室内に招き入れたら「!?」本格 的に寝てるっ!…。で、飼い主が「もうっ!イヤダッ!早く起きなさいよっ!」と癇症に言うと犬はノロノロと起きて飼い主の元へ戻り、そのまま外に出したのですが約30分後、ふと視線を感じて外を見ると事務所の飾り窓に鼻息を吹きかけ続けてる白い犬発見…。私はまた外に出て犬を撫でるなどしていたら、そばにいた飼い主が「帰る方向とは逆なのに、またここまできちゃったんですよ」との事でした。かしこい犬は記憶がいいと聞きますが、この白い大型犬が落合事務所の4匹目のお客になる予感満々なのでした。動物は嫌いではありませんけど、犬に気に入られてもひとつも特もないなと思いつつ、白い毛だらけになった床にいつもより念入りに掃除機をかけたのでした。
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