2016年6月30日(木) 0:01
|
モリノス
「素敵な世捨て人?廃人ライフ…」。モリノス地元付近、坂道と断崖絶壁、森、林、畑、廃屋、工場に倉庫…。夜ともなると外灯もションボリ、野良猫もソノ寂しい景色に寄り付かないんじゃないの?な地帯があるのですが、ソコにかつては新劇出身で俳優とかダンサーをやっていた私と同年代のY氏という男性が独りで暮らしているのですが、彼は身長180センチを超えバタ臭い顔でイケメンじみていますが、Y氏は15年以上前に芸能事から足を洗い、印刷の会社に就職したのですが、本日はコノ闇地帯から近い所にある陶芸教室の帰りに、どうしているかと気になり、アポナシで数年ぶりにY氏邸に立ち寄ってみました。崖に張り付くように建ててある3階建て昭和の朽ち果て系モダン家屋、三方を建物で囲まれた圧迫空間、入口はウネウネと交差した急な石段を上った所にあり、2階が玄関、ドアを開けるといきなりキッチンというか台所、奥にトイレと風呂、その右手が仏間、左手は1階に通じる滑り台の様な階段、ソノ階段を降りると襖で仕切ってある部屋2 つと納戸、部屋の外には縁側、小さすぎる庭には家庭菜園(?)、2階、トイレの横に3階に続く梯子みたいなやはり足腰悪い人には無理な階段アリ…。3階は洋間と洗濯場と物干しスペース(ベランダ?)、ここにも家庭菜園っぽいモノがあります…。この珍妙な家は格安賃貸なんだそうですが、独りで住むには広いし使い勝手も悪かろう、ましてや男一人暮らしでは掃除も億劫だろうにと久しぶりに会ったY氏と談義する前に息が上がりハアハアいいながらお宅拝見をしました。しかし家の中は整然としており、チリも埃もありません。Y氏の近況を聞くと、舞台の仕事をしなくなって会社勤めをしたが、人間関係に苦労して自己都合で退職、ソノ後はボッチで工場の警備を週3回、後は自宅でPCを前にネット販売の仕事をしているとの事…。食事は基本ベジタリアン、っていうか自宅で作れる野菜を育て、近所の地主の畑を無料で借り、そこでも野菜を作ってソレを食べているそうな(自給自足?)…。最近は電車もバスにも乗っ ていない、人と口を聞くの滅多に無いとの事…。趣味はレコードで聞く洋楽と夜中の散歩…。私は「えっ?それでいいんですかい?」と聞くと、初めは寂しいような気がしたが、今は別にと澄んだ瞳で覇気無く言います。まあ本人がそれでいいんですから私がとやかくモノ申す事も無いのですが、田舎じみてはいるが都内の住宅街な訳で…。よくぞマイペーススギる生活ができるものだと感心しました。やはり芝居の水を一度でも飲んでしまうとソノ後はなんだかオカシな行動と思考になってしまうのか?と思案しつつも、アレっ?私の生活も人の事いえないかも?と心中複雑な心境でY氏邸を後にした後、漆黒過ぎる梅雨の夜の町の中に切り込む様に電動式アシスト自転車を漕ぎ帰宅の途についたのでした。
|